第30回大会 大会長挨拶

大会長 和田 浩一 (視覚障害リハビリテーション協会 会長)

皆さん、こんにちは。
第30回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 大会長の和田浩一です。

30回の節目となる研究発表大会は、視覚障害リハビリテーション協会の理事全員が運営の中心となり、これまでの30年に渡る歴史を踏まえて、未来の視覚リハのあり方を考え、視覚リハにおけるSDGsをテーマとして取り組むこととしました。

視覚障害リハビリテーション協会は、1992年に設立し、これまで医療・福祉・教育・労働等の視覚障害リハビリテーションに関わる多職種の専門家が活躍し、研究や実践を積み重ねてきました。これらの素晴らしい成果が視覚障害者のQOLの向上に寄与しています。また、医療から視覚障害リハビリテーションへつながるスマートサイトも全国に広がって、各地域における多職種間のネットワークも充実してきました。

しかしながら、視覚リハに関わる人員の数、サービスの内容や連携の仕組みは、地域によって大きく異なっています。地域格差を無くし、全国どこでも質の高い視覚障害リハビリテーションサービスが受けられるようにする必要があると感じています。また、社会における視覚障害リハビリテーションの認知度はまだまだ低く、知られていないのが現状です。そのため、見え方で困っていても視覚障害リハビリテーションにつながらず、何もできなくなってしまった状態のままの方々も多くいらっしゃいます。必要な情報が届くようにし、誰一人取り残さない視覚障害リハビリテーションが実現できるように取り組まなければなりません。

特に、デジタル変革、地球規模の環境問題、超高齢社会の問題は避けては通れません。新しく経験した新型コロナウイルスによるパンデミック、地球温暖化による異常気象での豪雨や台風の災害、南海トラフ地震対策など、災害時における命や生活を守るための視覚リハ専門家として解決すべき課題も重要です。持続可能な社会を構成する地球人として視覚障害リハビリテーションのSDGsに取り組みます。これまでの30年の歩みを振り返りつつ、視覚障害リハビリテーションの未来をじっくりと語り合いましょう!

名古屋で皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

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