「見えない」「見えにくい」人が、外出するには?
歩行訓練を受け、外に出ることで、広がる世界がある!
目次
白杖(はくじょう)を使って歩く
白杖には、それを持っている人が視覚障害者であるということを周囲の人たちに知らせるシンボルという役割があることは、良く知られています。道路交通法には「目が見えない、又は、それに準ずる者は白杖を携えなければならない」と定められています。そのことによって、白杖を持っている視覚障害者を見かけたら、車を運転している人は徐行や一時停止をするなど、視覚障害者の歩行を妨げないように配慮しなければならないのです。
しかし、白杖の役割はそれだけではありません。白杖には、路面や周囲の状態や障害物などを検知するセンサーの役割と、衝突から身を守るための緩衝器の役割という、重要な役割もあります。また、ひと口に白杖といっても、用途や目的に応じた様々な種類があり、ご本人の身長や歩く速度などによって、適切な長さも変わってきます。白杖を購入する際は、次に述べる歩行訓練士などの専門職や視覚障害者用の用具を多く扱っている業者に相談することが重要です。
歩行訓練 と歩行訓練士
人間は「視覚的な動物である」と言われるほど、私たちは、外界からの情報の80%以上を視覚から得ているといわれています。目的地まで歩いて行く時も、目で周りを見て、目的地までの手がかりを確認し、障害物や車などをよけて、安全に歩いていけるのです。
ところが病気やけがで見えない・見えにくい状態になると、視覚からの情報が全然入ってこないか、非常にわずかしか使えなくなってしまいます。そうなると今までのように視覚的情報に頼って目的地まで歩いていくことができなくなります。
その場合でも、歩行訓練を受けることによって、一人で外出したり、通勤・通学ができるようになる可能性があります。
歩行訓練では、白杖の基本的な使い方とともに、保有している視覚と他の感覚(触覚・聴覚など)からの情報を組み合わせて状況判断したり、地図をイメージしながら歩くことにより、安全に確実に効率的に目的地まで行く方法や技術を学ぶことができます。
歩行訓練は、主に専門の養成機関を修了した施設等の職員(歩行訓練士等)によって実施されています。
参考: 企業の皆様へ 通勤を含む移動支援実施施設一覧を見てください。
盲導犬と歩く
目の見えない人・見えにくい人が行きたい時に行きたい場所へ出かけられるようにする手段のひとつとして、盲導犬と歩く方法があります。盲導犬は、障害物を避けたり、段差や曲がり角を教えたり、目の見えない人・見えにくい人が安全に歩くためのお手伝いをします。道路交通法や身体障害者補助犬法という法律でも認められていて、目の不自由な人と一緒に電車やバスに乗ったり、お店などに入ることもできます。
盲導犬と共に歩くということは、盲導犬とともに生活するということです。盲導犬と触れ合うことで、歩行だけでなく生活に対する安心感や癒しにもつながります。
盲導犬についての情報は、日本盲導犬協会のWebページを参考にしてください。
「ことばの道案内」とは?
目の見えない人・見えにくい人が、外出する場合、地図を見ることができないため、目的地までのルートの確認や、点字ブロックの位置や音など視覚以外の手段で目印となるランドマークの位置を事前に確認することがなかなか困難です。
これを解決するために、ことばによる道案内の情報を集めているサイトがあります。
認定NPO法人 ことばの道案内